管弦楽はどんな楽器で演奏するのでしょう
「吹奏楽部」のある学校はたくさんありますが、「管弦楽部」のある学校は広島でも数校しかありません。私達、管弦楽部は、いわば「オーケストラ」です。「管楽器」・「打楽器」に加えて「弦楽器」が入り、吹奏楽には作り出すことのできない、なめらかな音色と表情豊かな音楽を奏でます。山女オケで使用している楽器をご紹介しましょう。
弦楽器
ヴァイオリン Violin
ヴァイオリン Violin
オーケストラの最重要楽器です。19世紀半ばころ、ヴィヨームという職人が改造し初めて現在の形になったそうです。演奏方法による音色の変化も面白く、オーケストラの主役といえる魅力的な楽器です。
ヴィオラ Viola
ヴィオラ Viola
「Viola」という言葉、これは元々弦楽器を総称する時の呼び名でした。深い音色が本当に魅力的な楽器です。実は現在の皇太子様も弾いていらっしゃるほど、高貴で、品があり、そして重要な楽器です。
チェロ Violoncello
チェロ Violoncello
イタリア語で「大きなヴィオラ」の意を持つこの楽器はイタリア生まれの楽器で、人の声に非常に似た音域を持ち、オーケストラでは中低音を担当します。美しくて深い音色で低音を響かせます。
コントラバス Contrabass
コントラバス Contrabass
4本または5本の弦を持つ大きな弦楽器でオーケストラでは1番最低音を受け持ちます。単にバスもしくはベース(Bass)、ダブルベース、ストリングベースとも言います。呼称が多いのは、コントラバスがさまざまな場面で使われることの表れでともいえます。低音のズシリと響く魅力的な音で、オーケストラを引っ張る指揮者のような存在です。
管楽器
フルート flute
フルート flute
フルートは、19世紀にドイツ人フルート奏者・楽器製作者テオバルト・ベームによって大幅に改良され、ワーグナーをして「その大砲をどけろ!」と言わしめた代物です。昔はもっぱら木で作られていましたが、後に出現した金属製が現在では主流となっています。ビブラートのかかった優しい音色はとても魅力的です
クラリネット Clarinet
クラリネット Clarinet
クラリネットは非常にポピュラーな木管楽器の一つで、多彩なジャンルの音楽に広く普及しています。最初の演奏記録は1710年で、モーツァルトやベートーベンにも愛用され、更にはフランスの作曲家が好んでクラリネットのために曲を書き、今でも最もポピュラーな管楽器として全世界で親しまれています。
サキソフォン Saxophone
サキソフォン Saxophone
1846年、ベルギー人のアドルフ・サックスによって生み出されたこの楽器は、現在オーケストラで使われている管楽器の中で最も若い楽器として有名です。クラシック曲ではその存在が無かったため、最近の曲でない限り出番はあまりありませんが、ロック、ソロ、アンサンブル、とりわけジャズではその優れた性能をいかんなく発揮します。
ファゴット fagotto
ファゴット fagotto
ファゴットは、木管楽器の一つで、オーボエと同様に上下に組み合わされた2枚のリードによって音を出すダブルリードで演奏します。低音部を担当し、多少鼻の詰まったような「ポー」という音がするのが特徴で、長い音程間での跳躍する動きや、おどけたような表現を得意としています。
トランペット Trumpet
トランペット Trumpet
トランペットは大変ポピュラーな金管楽器です。ギリシャ、ローマの時代には戦争行進にうってつけの楽器ということでこの楽器が用いられました。マウスピースはとても小さい上、リムも薄く、実はけっこう体力を消耗する楽器でもあります。しかし、特に吹奏楽では大変目立つ楽器で、ひと度吹けばsoloの様にも聴こえ、主旋を吹くことも多く、とにかくおいしい楽器です。
トロンボーン Trombone
トロンボーン Trombone
トロンボーンは2つの長いU字型の管を繋ぎ合わせた形状を持ち、通常、その一部(スライド)を伸縮させて音程の高低を生み出すしくみになっています。トロンボーンの音域は成人男性の声域に近いといわれ、またスライドによって音程をスムーズに調整できる事から得られるハーモニーの美しさなどから「神の楽器」といわれ、教会音楽に重用されました。
ホルン French Horn
ホルン French Horn
ホルンは、その4mもある管を胴の中に巻き、ベルは急激な広がりを見せ、そこに右手を差し入れて演奏する管楽器です。オーケストラでは様々な音色を出しますが、基本的に独特の柔らかい音がします。「こもったような音」とも聞くことがありますが、それが独特な部分であり、ホルンらしさでもあります。
チューバ Tuba
チューバ Tuba
チューバは、管楽器の中で最も大きな楽器であり最低音部分を担当します。「チューバ」と名付けられた低音金管楽器が姿を表すのは19世紀に入ってからのことです。非常にどっしりとした音色はとても迫力があり、オーケストラ全体を包む、なくてはならない楽器です。
打楽器
ティンパニ Timpani
ティンパニ Timpani
打楽器は、幼児にもできる手拍子が例のように、楽器としては人間にとって最も根本的なものであります。その打楽器の中で最も重要な楽器、それが、ティンパニです。オーケストラの中で、大きな存在感をもつティンパニは、鍋型の胴体に被膜を張り、それをバチで叩くという構造をもち、バチで叩かれた被膜が振動、それが胴体に伝わって共鳴することで音を発します。20世紀に発明された調音ペダルのおかげで演奏中何度でも音を変えることや、不可能とされたグリッサンド演奏も出来るようになりました。
スネアドラム・バスドラム
スネアドラム・バスドラム
ともに、オーケストラの背骨ともいえる楽器です。マーチやポップスではこれらの奏でるリズムにのって演奏します。これらの音1つ1つたたき方によって音色が変わり、究極の音を探すために大変な苦労がいります。オーケストラの中でも、表情や最後のダイナミクスに使われることが多く、重要なポジションです。
マリンバ Marimba
マリンバ Marimba
マリンバは、アフリカ起源で後に中南米にもたらされた鍵盤楽器です。木製の鍵盤とその下にぶら下がる共鳴管をもち、2~4本のマレットを使って演奏します。共鳴管は、かつてアフリカではヒョウタン、南米では竹が使われていましたが、オーケストラ用マリンバの共鳴管は金属で出来ています。この共鳴管が、マリンバに深く美しい音色をもたらすのです。
ピアノ Piano
ピアノ Piano
ピアノは弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器の一種で音域が非常に広く、現代の標準的なピアノは88鍵を備えます。現代のピアノの持つ音域は、クラシックオーケストラの全音域よりも広いので、西洋音楽のほとんどの曲は、ピアノ曲に編曲して演奏することができるという特徴があります。オーケストラではハープの代わりに演奏されることが多く、本校でもピアノ奏者を毎年募集しています。